[Exhibition]
種田陽平による三谷幸喜映画の世界観展 『清須会議』までの映画美術の軌跡、そして・・・
映画美術は映画のための世界観、つまり「偽りの空間」をつくる。その空間をセットにして、映画の中で展開する物語に現実味を持たせることが美術の重要な仕事の一つだ。三谷幸喜さんは物語のための映画のセットをとても大事にしてくれる映画監督である。CG全盛の時代にあって三谷映画独特の「役者と共演する映画美術」、そのディテールを、海外作品での仕事と併せ皆様にご覧頂けることを大変嬉しく思います。————種田陽平
種田陽平が美術を担当した三谷幸喜監督作品に『THE有頂天ホテル』『ザ・マジックアワー』『ステキな金縛り』そして新作『清須会議』(11月9日公開予定)があります。三谷映画特有の世界観と、その世界観をつくりあげる映画美術の仕事を紹介する展覧会が、この秋、「上野の森美術館」で開催されることになりました。
迷路のようなホテルアヴァンティ、「映画のセットみたい」と登場人物が呟く守加護市パラダイス通り、幽霊が証人として召喚される法廷、そして「会議」という名の「戦」が行われる16世紀の清須城・・・これらのメインセットに加え、屋内外の様々なセット・空間デザイン、それらを内包する街や村全体のデザイン、タイトル、クレジットタイトルなどのグラフィックデザイン、オープニングクレジットタイトルロール、装飾、小道具、そしてDVDパッケージデザイン・・・種田によるこうした映画美術の仕事が三谷映画特有の世界観をつくりあげ、物語を支えてきました。
セット製作のための資料や実際に撮影に使われた模型、装飾、小道具、セットの一部の再構築など映画美術の展示を通し、三谷映画の世界観の多様性と楽しさを、展覧会場で体感し、また追体験して頂くことができる展覧会となります。
さらに同会場には、プロダクション・デザイナーとして参加してきた海外作品『キル・ビル Vol.1』(クエンティン・タランティーノ監督)、『セデック・バレ』(ウェイ・ダーション監督)、『The Flowers of War ; 金陵十三叙』(チャン・イーモウ監督)、『Man of Tai Chi;太極侠』(キアヌ・リーブス監督)において巨大なセット、街、村などのグランドデザインをつくりあげてきた種田の映画美術の仕事も展示されます。
「役者と共演する映画美術」、この秋、是非、美術館にてご覧下さい。
種田陽平的による三谷幸喜映画の世界観展 清須会議までの映画美術の軌跡、そして・・・
会期:2013年10月12日(土)〜 2013年11月17日(日)会期中無休
会場:上野の森美術館
映画『清須会議』