[Publication]
月刊誌『GHOETE [ ゲーテ]』1月号 映画空間術第11回
種田陽平の映画空間術 第11回 GOETHE1月号
『スガラムルディの魔女』
『西遊記〜はじまりのはじまり』
主人公を待ち受けるおとぎ話の空間
「おとぎ話」から僕が連想するのは、国民性、土着性、宗教性、時代背景が濃密で、子供向けとは限定しにくいダークサイドが垣間見えてくる世界だ。最近のアメリカ製「ファンタジー」世界とはちょっと趣きが異なる。大人でも楽しむことができるそんな「おとぎ話」をベースにした映画で、近年の東西のNo.1が揃った感があるので今回は2作、紹介したい。
————種田陽平
現在、店頭にて発売中の「GOETHE」[ゲーテ]1月号掲載の映画空間術第11回。「アメリカ映画がCG技術に頼りすぎて忘れてしまった大切な何かがある」新作娯楽映画2本を紹介しています。「大人でも子供に戻った気分で、わくわくしたまま劇場を出ることができる」「みんながよく知っている魔女や孫悟空が背負う物語の中で、イグレシア監督とチャウ・シンチー監督が自由に暴れ回っている感じがとてもいい」とも述べています。
また、12月号の第十回映画空間術では、クリストフ・ガンズ監督の『美女と野獣』を取り上げました。こちらもフランスの「おとぎ話」がベースとなった映画で、CG技術満載ですが種田は「セットが絵画のようなCGに包まれて」「絵画的な平面性がこの映画全体をアニメ的な雰囲気で満たしてファンタジー世界を成立させている」と述べています。ガンズ監督が愛する60年前の大映映画や、宮崎駿監督作品からの引用も指摘しています。
種田のエッセイ、そして、劇場にてこの3作の娯楽映画の素晴らしい映画空間を楽しんでいただけましたら、幸いです。
なお、種田は現在アメリカにてクエンティン・タランティーノ監督の新作の準備に入りました。そのため映画の撮影が終わり帰国するまで、この連載をお休みさせていただくことになりました。
連載を読み継いでくださったみなみなさま、ありがとうございました!
連載エッセイタイトル:種田陽平の映画空間術
掲載誌:『GHOETE [ ゲーテ]』(幻冬舎)1月号
『GOETHE [ゲーテ] 』